県境さん2

⚫︎年齢　1歳年下
⚫︎仕事　海外営業
⚫︎見た目　鼻が高い
⚫︎出会い　マッチングアプリ

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彼「食べたいものはありますか？」
マル「じゃあイタリアンで！」
彼「了解です。お店探しときまーす」
マル「ありがとうございます」

婚活で会う人と初めて行く店なんてどこでもいいですが。
イタリアンと答えるのが無難だと思い込んでいるマルセイユです。

デート当日

わたしは県境さんの見た目を認識していないので、ただ立って待ちます。
話しかけられなければ誰が県境さんなのか気付かない状態です。

するとこちらに向かってくる方が…
「マルセイユさんですよね？じゃ、行きましょうか！」

そう言うやいなやスタスタと歩き出す県境さん。
挨拶をするタイミングを逃しました。

プロフィール写真では元気で活発そうに見えましたが、直に見ると知的な雰囲気です。
完全にかけているメガネの影響ですね。

県境さんは特徴的な声で喋ります。
しかも早口です。

メッセージの段階でちょっと不思議な人かなという印象でした。
さらに、喋り方も相まって、やっぱり変わった人だなと思いました。

「こっちの道から行きましょう！僕ほんとに人混み苦手なので」
神経質なのかなんなのか、通ったことのない裏路地経由でお店に到着しました。

そのお店は大衆居酒屋…
「今日刺身の気分だったんですよ〜」
と、県境さん

食べたい物を聞かれてイタリアンと答えた結果が、大漁と書かれた旗が似合う居酒屋です。
かすってもいません。

でも、こういう自由気ままな人に振り回されるのは意外と不快ではありません。
むしろ気を遣いすぎてたどたどしくなる方よりいいのかもしれません。

ちょっとだけ長めのふわっとした髪型にメガネ、ノージャケットノーネクタイのスーツにリュック姿です。

改めて見ると、県境さんはわたしの好みの雰囲気です。

カウンター席で並んで座ると、鼻も高いことに気付きます。

好きなタイプと一度認識してしまうと、なんだか緊張してきます。

カウンター席はテーブル席より物理的距離が近いのでドキドキしてしまいます。

もはや婚活パーティーも街コンもマッチングアプリも慣れすぎて緊張しない…
と思っていたのは間違いだったようです。

しばらくぶりの心境です。